お疲れ様です。
CPCってどうやってするの?っと疑問を持たれていると思います。
そもそもCPCとは、Clinico-Pathological Conferenceの略で、「臨床病理カンファレンス」っといいます。
初期研修の間に1回レポートを作成しなければなりません。
また、内科専門医を取得するために、再度CPC1回が必要です。
臨床経過、臨床の死因の疑問に関して、病理解剖を行うことで、
亡くなった原因や、病気の診断あるいは治療の妥当性があったかを確認します。
それを議論する場となります。それをレポートとして、初期研修医あるいは内科専攻医はまとめます。
流れとしては、
患者さんの臨床経過
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患者さん死去
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家族に病理解剖の同意をいただく
↓
病理医による病理解剖(肉眼所見はお伝え可能)
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病理医による切り出し
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病理医が顕微鏡による鏡検
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病理医は臨床医と相談の上、報告書をまとめる
↓
家族へ説明
↓
臨床経過をスライドにまとめて、カンファレンスにて発表。
病理の先生も病理診断について発表され、それを議論します。
↓
そのカンファレンスで扱った内容をレポートとして作成。
ハンガリーでは画像検査は高価であり、病理解剖がほとんどの症例で行われます。
日本では亡くなった家族の体に傷を増やすことを嫌う傾向にあると思います。
しかし、今まで知りえたケースでは、
家族の中には、
・今まで身内が苦しんだ癌を体から取り除いでほしい、
・腹水がたまりすぎて、腹部膨満を取り除いてほしい、(見栄えをよくしてほしい)
・亡くなった原因がわからないからやってほしい
・病院からの見舞金目的
・医学の発展に貢献できるならしてほしい、
・アスベストがあるはずだから見つけてほしい(→中皮腫の診断→国からお金でます)
などいろいろありました。
今↑に出ましたが、悪性中皮腫の診断となると、国からお金が出る可能性があります。
悪性中皮腫になるのは、ほぼアスベスト関係だからです。
ただ、生前に中皮腫の診断となるには、生検や手術をしないといけないのですが、
容体が悪くなると生検ができないことや、生検ができても腫瘍が悪いものになりすぎて、診断が困難な場合が多々あります。
中皮腫が疑われる症例は病理解剖を勧めたほうが良い場合があるかもしれません。
一言いうと、これは専門医取得や初期研修修了するために必須項目ですが、
家族は見舞金をもらえても、病院は一円にもなりません。
保険点数を算定できないからです。
ただ、病院は内科専門医を育成するために病院規模にかかわらず、年間の剖検体数が10体以上という条件があります。
今コロナでどの病院も病理解剖が少なくなってきており、一例の病理解剖症例を7人の研修でCPCをしていました。
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